ダンボールで吸音材をつくる試み【連載 その5(完結編)】

東京に住む友人のために防音室を設計し、施工のお手伝いをしてきました。施工期間は一週間(20120331〜20120406)で、友人の部屋に寝泊まりしながら作業しました。

以下に、写真でその作業過程をご紹介します。最後の方には防音効果を確かめるための実証動画も載せています。

【連載その1】http://d.hatena.ne.jp/housepublishing/20120122/1327375989
【連載その2】http://d.hatena.ne.jp/housepublishing/20120321/1332358930
【連載その3】http://d.hatena.ne.jp/housepublishing/20120322/1332431370
【連載その4】http://d.hatena.ne.jp/housepublishing/20120328/1332946567




材料です。これらは事前に買い揃えておいてもらいました。


こちらが吸音壁の材料となるダンボール。300×925㎜にカットされた状態で発注しておきました。


まず床にゴムマットを敷きます。


その上にコンクリートブロックを置いて、基礎とし、コンクリートブロックの上に柱を立てていきます。


コンパネを柱の内側に張り付けます。


このあたりから内装材となるダンボールの吸音壁タイルをつくり始めます。

つくり方は簡単で、300×925㎜のダンボールシートを、300×25mmの間隔にスライスして、それらをボンドで貼りあわせるだけです。


あとはこの作業を、約8600回繰り返すだけです。


こちらが完成した吸音壁タイルです。


施工中は、積み重ねてスツールとして使用していました。



躯体の施工に戻ります。コンパネを張るにしたがって、全体が見えてきました。コンパネ同士をしっかり繋ぎ合わせるために、角材を足してゆきます。


中はこのようになりました。


粘着性の高いガムテープで隙間を目張りしていきます。


外壁として石膏ボードを張りつけます。こちらも、ガムテープで目張りします。


さらにその上に遮音シートを張りつけていきます。


最後に工事現場用防音シートをかぶせます。


ダンボールの吸音壁タイルの効果を確かめるために、床に敷き詰めているところです。明らかに防音室内の反響が少なくなり、音が柔らかくなりました。これはいけそうです。


ダンボールの吸音壁タイルを壁に貼りつけていきます。床には絨毯を敷きました。


天井にも貼りつけます。


出入口の戸はこのようにしました。


ロック機構をつけました。簡単な仕組みですが、これにより、防音効果が高まります。


戸を閉めると、このようになります。


そして、防音室が完成しました。

外観です。
防音シートの「防音」の文字がポイントです。防音するには、気持ちが大事です。


内観です。


実証動画です。スマートフォンのアプリによる測定ですが、30dBほど低減していることが分かります。


防音室が完成し、外に出てみると、桜が満開に。楽しい日々でした。


■関連
ダンボールで吸音材をつくる試み【一年後】
http://d.hatena.ne.jp/housepublishing/20130412/1365752694