貸し事務所を求めて

昨夜高速バスにて仙台に到着し、wasanbonの樋口さんにフリーペーパーvol.1&vol.2を渡すため待ち合わせ場所の"あゆみブックス"へ。樋口さんからは、8月に参加予定の風土市@wasanbonのチラシ(pic)とひまわりの種をいただきました。ありがとうございます。

その後、貸事務所物件を求めて仙台市内の不動産屋を回りました。6軒ほど廻りましたが、良い物件は見つかりませんでした。震災の影響で、物件がかなり不足している模様です。

物件A「豆腐会館2階」(pic) 周囲には神社や東北大学片平キャンパス、旧銭湯「開福湯」をはじめ、古書店や楽器店が軒を連ねる文化的な通りに面した物件。管理人さんと相性が良くなさそうだったので、断念しました。

物件B「八幡一丁目の平屋」(pic)
家賃はとても安かったのですが、崖の下のような場所にあり、湿気がすごかったので断念。その後、五橋にて一軒家のカレー屋さんを見つけました。定休日でしたが、理想的な物件でした。(pic)


その後、物件Bの坂を上り切った近くに「テナント募集」とある複合ビルを見つけました。1階で大工さんらしき男性と大家さんらしき女性が作業していたので話かけてみると、まだ改装中だが、中を見ることは可能とのこと。ハシゴを昇って、2階の2店舗と、3・4階の住居を見せてもらいました。物件を見てみると、建物のデザイン(pic.1)とか、階段(ハシゴ)の感じ(pic.2)とか、中空の外廊下の床が板張りで下が透けているところ(pic.3)とか、ちょっと変わっているけれど、それなりに凝った造りの建物でした。ただ、店舗部分はどちらも皿やグラスや什器が散乱したままで、まるで地震で壊滅的被害を受け、店子が一目散に逃げ出したあとのような状況でした。あと3・4階の居住部分には鹿の剥製がありました。ハシゴを降りて、大工さんらしき男性の話を聞いていると、どうやら、その男性が大家さんでもあることが判明し、すこし雲行きが怪しくなってきました。「では、この建物は大家さんがご自身の手で……?」「ああ!一級建築士は、こんな建物すぐにつぶれてしまうと警告していたが30年もった。どんなもんだい!前にも2、3個作ったことあるけど、大して難しくなかった!」と胸を張る大家兼大工さん。「鉄骨から何から全部大家さんがつくったんですか?」「そうよ!」「よくこの前の地震に耐え抜きましたね」「耐えたなんてもんじゃねぇ、今も現役バリバリよ!まあ、この前の地震の時はさすがに死ぬかと思ったけどね!」そこで3階に直通するハシゴに手と足をかけていた私はふと我に返りました。そうなんです、このビルは「かなり変わった物件」だったのです。その大家兼大工さんは4階部分に住んでいるそうで、屋上にはクレーンがあり、バベルの塔のように上へ上へと日々建設中です。